仲裁をうまく進めるためには

国内企業間であれ、国境を越える企業間であれ、包括的な商取引契約には、契約に基づいて生じる紛争をどのような手続で解決するかを定める条項を必ず含めるべきです。紛争解決方法としては、管轄裁判所での訴訟による解決、または仲裁による解決を選択できます。訴訟と仲裁は手続が大きく異なるため、紛争解決条項ではそれぞれ異なる論点を扱う必要があります。

 訴訟は、制定法、規則、規制、および判例によって構成される司法制度の枠内で行われます。契約当事者が合意によって手続規則を変更できる余地は極めて限定的です。契約に適用される準拠法を選択すること(準拠法条項)や、紛争を審理する裁判所を指定すること(裁判管轄条項)は可能です。米国の州裁判所および連邦裁判所における司法手続では、当事者は広範な証拠開示(ディスカバリー)を行うことができ、相手方の文書や情報を入手し、請求や抗弁を裏付ける証拠を得られます。また、ディスカバリーによって新たな請求や抗弁を支える証拠が見つかることもあります。裁判所の命令や判決は、中間控訴裁判所や最高裁判所に上訴できます。裁判官はランダムに割り当てられ、申立手数料などを除けば、裁判制度の利用に対して当事者が費用を支払うことはありません。限定的な例外(営業秘密など)を除き、米国の裁判所に提出された文書は公開されます。最後に、訴訟は時間と費用がかかる場合があります。

 仲裁は裁判所での訴訟に代わる手続です。仲裁は一般に、裁判所が要求する形式的で詳細な事前手続や審理手続を必要としないため、紛争解決が迅速に進む傾向があります。また、仲裁は非公開で行われます。しかし、当事者が裁判所並みの広範なディスカバリーを認めた場合、仲裁も時間と費用がかかる可能性があります。仲裁は営利団体によって運営され、弁護士や元裁判官が仲裁人として訓練・任命されます。当事者は仲裁人の費用を支払わなければならず、米国では通常、仲裁人は時間給で報酬を受け取ります。裁判所の判決とは異なり、仲裁判断は極めて限定的な場合を除き上訴できません。これは仲裁の最も重要な制約であり、この点については次回の記事で詳述いたします。

 仲裁は当事者の合意に基づくため、当事者は仲裁手続をどのように進めるかについて慎重に交渉する権利があり、またそうすべきです。まず、仲裁の対象となる争点の範囲を定める必要があります。その範囲外の紛争は訴訟によって解決されるべきです。仲裁判断の上訴が極めて限定されていることを踏まえると、知的財産権の帰属など、事業にとって根本的な争点は訴訟で解決する方が望ましい場合が多いです。

当事者は仲裁の多くの手続的側面を自由に調整できますし、そうすべきです。最も見落とされがちな点は、仲裁手続そのものを支配する法律をどれにするかという問題です。契約上の実体的権利を支配する準拠法は通常選択されますが、仲裁手続については別の法域の法律の方が適している場合もあります。さらに、当事者は仲裁機関、適用される仲裁規則、仲裁人の人数、資格、選任方法について合意すべきです。仲裁機関の規則や料金体系は手続に大きな影響を与えるため、各当事者が十分理解しておくことが重要です。また、仲裁の使用言語も選択できます。さらに、当事者は自らの請求や抗弁を立証するためにどのような証拠が必要かを慎重に検討し、仲裁機関のデフォルト規則とは異なる証拠開示の範囲を交渉すべきです。特定の手続規則について合意がない場合、当事者は仲裁機関のデフォルト規則に拘束されますが、これらは通常、裁判所の手続に比べて事前の証拠収集やディスカバリーを大幅に制限しています。

 

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